脳出血の中で最も死亡率が高い脳幹出血ってどんな病気?

脳幹出血の原因や症状とは?

前兆症状をチェックして予防しよう!



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脳出血のなかでも最も恐ろしいとされる脳幹出血。

一度発症したら数時間後にはそのまま亡くなってしまうこともあるんだとか。

今回はそんな恐ろしい脳幹出血について詳しく解説していきます。

脳幹とは?

脳幹とは?

脳幹は上図のように中脳・橋・延髄から構成されます。(脳幹の上には大脳下には脊髄後ろには小脳が位置しています。)

脳幹にはとても重要な機能がたくさんあります。

  • 上下にある大脳や脊髄から走行してくる運動神経感覚神経の通り道
  • 後ろにある小脳から出入りする神経の通り道
  • 脳神経核(ここから脳神経が出る)
  • 脳幹網様体(意識水準の調節生命維持などの機能を持っている)
  • 自律神経反射の中枢(呼吸・循環・対光反射・嚥下・嘔吐など生命維持に不可欠な内臓機能の中枢

脳幹の細長くて狭い領域にこれだけの機能が凝縮されているため、出血や梗塞を起こしたら非常に危険な状態になるというのはご想像いただけるかと思います。

脳幹出血とは?

脳幹出血は脳出血全体の約10%を占めます。

脳底動脈橋枝(橋動脈)からの出血が多いため「脳幹出血=橋出血」と解釈されることが多いです。

脳幹部の障害であるため、出血量が多ければ脳出血の中で最も重症で予後不良となります(ここでは脳幹出血のうち最も頻度が高い橋出血について詳しく解説しています)

脳幹出血(橋出血)の種類

橋出血には

中心部橋出血部分的橋出血の2つがあります(部分的橋出血は背外側被蓋出血、被蓋底部出血に分けられます)

おおまかな特徴は下図のとおりです。

脳幹出血の種類

脳幹出血が重篤な病気とされる原因はこの中心部橋出血にあります。脳幹出血の中でも最大の出血で橋の半分以上を血腫が埋め尽くしてしまう危険な状態です。それにもかかわらず、脳幹部は外科的アプローチがしづらい上に生命維持に必要な機能がたくさん備わっているため、手術ができないんです。

部分的橋出血の場合は意識障害も軽く、予後は比較的良好となります。運動麻痺や感覚障害も片側性となることがほとんど。

脳幹出血の症状は?

脳幹出血は急激に発症し、短時間のうちに下記の症状を引き起こします(ここでは中心部橋出血について記載)

  • 重度意識障害
  • 呼吸障害
  • 四肢麻痺
  • 高熱(中枢性
  • 自律神経障害
  • 両側性除脳硬直(両手足がピンと伸びて体が反り返る)
  • 眼球の正中位固定(黒目が中心から動かなくなる)
  • 瞳孔の高度縮小(pinpoint pupil:瞳孔が小さくなる)

一般的に生命予後不良とされており、脳幹に対する一次脳損傷であるため、手術の適応はありません。

万が一、中心部橋出血で意識が回復したとしても、重篤な後遺症により日常生活に介助が必要となる可能性は非常に高いです。

脳幹出血の後遺症は?

予想されるその後の後遺症は以下のとおりです。

  • 四肢の運動麻痺
  • 四肢の感覚障害
  • 四肢、体幹の運動失調
  • 眼球運動障害
  • 嚥下障害、構音障害

四肢麻痺や運動失調により、自分で立って歩くことは極めて困難となります。認知機能は保たれますが表出も困難なので心的ストレスも大きいです。

脳幹出血の原因は?

橋動脈(脳底動脈橋枝)は脳底動脈から分枝し、橋に血液を送る穿通枝でもあります。橋出血では橋動脈が破綻して出血することがほとんどです。

その原因はズバリ、

動脈硬化です。

それでは動脈硬化を引き起こす危険因子には何があるのでしょうか?

動脈硬化の危険因子

  1. 男性であること
  2. 齢をとること
  3. 高血圧
  4. 脂質異常症
    (高コレステロール・高脂血症)
  5. 喫煙
  6. 肥満
  7. 糖尿病
  8. ストレス

やはり高血圧対策が非常に重要となります(発症時の血圧が高ければそれだけ血腫も広がり重篤化しやすい傾向にあります)

1と2はどうしようもありませんが、3〜8は今からでも対処ができます(ストレスについてはこちらの記事も参考に→【事のストレスが原因で脳出血を発症するって本当?関係ある?】

動脈硬化の進行具合を知るには?

「平均血圧」「脈圧」の数値から判断します。普段の収縮期血圧(上の血圧)と拡張期血圧(下の血圧)を下記にあてはめてみて下さい。

平均血圧 =下の血圧+(上の血圧-下の血圧)÷3
脈  圧 =上の血圧-下の血圧

例:動脈硬化が進行している人
収縮期血圧:156mmHg
拡張期血圧:91mmHg
平均血圧 :91+(156-91)÷3=112
脈  圧 :156-91=65

動脈硬化を防ぐには

  • 平均血圧を100未満に抑える
  • 脈圧を40~60mmHgに保つ

脈圧が60mmHgを超えていた方は、動脈硬化が進行している可能性があるため今すぐ対処が必要です。

予防するには?

前項でも述べたように高血圧の改善が必須です。
(コレステロールを下げるのも重要!)

高血圧を改善するには薬の内服生活習慣の改善重要となります。
適度な運動塩分制限を心がけましょう。
▶︎ 7つの手軽にできる塩分制限で高血圧対策
▶︎ 継続できる手軽な有酸素運動で高血圧対策

サプリンメントも手軽に始めやすいのでおすすめです。

脳幹出血の前兆症状は?

基本的に脳幹出血は予兆なく突然発症することがほとんどです。
ただ稀に以下のような前兆症状があることも。

  • 激しい頭痛
  • 手足のしびれ
  • めまい
  • ふらつき
  • 気分不快、嘔吐 
  • 呂律が回らない
  • 言葉がうまく出てこない
  • 激しい肩こり 
  • 充血 物が見えにくい

合わせてこちらの記事も参考に。
▶︎ 脳出血予防には前兆症状をチェック!頭痛やしびれは要注意?

上記のような症状が度々出現するようなら、血圧を測ったり、一度近医を受診してみたり、脳ドックを受けてみるのも良いでしょう。
【若い人も要注意!若年性脳卒中を予防するには脳ドックを受けるべし! 】

まとめ

今回は脳幹出血の詳細や症状、原因について解説しました。

重度の意識障害や四肢麻痺などの重たい症状に加え、死亡率も高いため、できれば発症したくないですよね。

こんな恐ろしい病気が脳出血全体の1割を占めるんです(ぞっとします)

やはり

予防が第一

ですね。

以上、参考になれば幸いです。

でわ。

 

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