脳卒中って遺伝するの?
身内に脳卒中の家族歴がある人は要注意?予防するために重要な食事と生活習慣はどうしたらいいの?
脳卒中は遺伝する?
生活習慣病である脳卒中には3つのタイプに分かれます。
- 脳出血
- 脳梗塞
- くも膜下出血
(出典:http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000326.html)
「脳出血」は脳内の血管が破れて脳実質内に出血した状態。
「脳梗塞」は脳の血管がつまって、その先の神経細胞への血流が途絶えた状態
「くも膜下出血」は脳出血とは異なり、脳を包む膜内(くも膜下腔)に出血した状態。頭蓋内の太い血管の分岐部にできたコブ(動脈瘤)が破裂して起こります。
タイプ別で遺伝のリスクは異なります。
1番遺伝性の高いタイプは「くも膜下出血」です。家族にくも膜下出血を発症した人がいる場合、いない人に比べて約9倍もくも膜下出血を発症しやすいことが報告されています。
もし家族にくも膜下出血を発症した人が1人でもいるのなら、脳ドックで脳内に動脈瘤がないか検査してもらうべきです。
次いで脳出血の場合、約1.9倍発症しやすくなります。脳出血は遺伝というよりむしろ育った環境が関係しています。例えば父親が脳出血になった場合、同じ食生活や生活習慣で育った息子にも脳出血のリスクがあるということです。
食事と生活習慣を改善すれば脳出血は予防することができます。
(ちなみに脳梗塞の遺伝性について有力な報告はありませんでした。)
予防には食事と生活習慣の改善が重要
脳卒中の原因となる主な病気は以下4つ。
- 高血圧症
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 心臓病
これらは偏った食事や運動不足、ストレス、喫煙、過度の飲酒といった生活習慣の乱れによって引き起こされます。
特に注意したいのが高血圧によって引き起こされる動脈硬化です。
動脈硬化した血管の壁は脆く、破れやすく詰まりやすい状態となり、脳出血と脳梗塞のどちらのリスクも高めてしまいます。
そのため血圧を正常値内(収縮期血圧120㎜Hg未満・拡張期血圧80㎜Hg未満)に抑える必要があります。
そして悪玉コレステロールと言われるLDLも動脈硬化を引き起こします。さらに血液をドロドロにして血管の内壁にへばりつき、徐々に血管を狭く詰まりやすい状態にしてしまいます。
高血圧と悪玉コレステロールをやっつけるには?
- 1日の塩分摂取量は10g以下に抑える(7つの手軽にできる塩分制限で高血圧対策)
- 肉の脂質やバターは控えて植物油を使う
- 食物繊維は1日27g以上摂取する
- 適度な有酸素運動を継続する(継続できる手軽な有酸素運動で高血圧対策)
まとめです。
脳卒中でも遺伝性の高いものはくも膜下出血のみで、脳出血や脳梗塞は食事と生活習慣を改善することで予防できます。くも膜下出血の家族歴のある方は是非とも脳ドックへ。
参考になれば幸いです。
でわ。