手の麻痺は治りにくいって本当?
手の麻痺の回復過程や
リハビリの効果について紹介します。
脳出血や脳梗塞を発症すると
片側の手足が麻痺することがあります。
これを片麻痺と言います。
片麻痺の回復過程についてはこちらの記事をご覧ください。
▶︎ 片麻痺の3つの回復過程とその期間について
▶︎ 片麻痺が効率的に回復しやすい時期とその治療法とは?
実は
片麻痺は手と足で回復する傾向が違うのです。
今回は手の麻痺の回復傾向やリハビリの効果についてご紹介します。
手の麻痺の回復傾向
一般的な傾向は以下のとおりです。
- 手の麻痺の回復は足の麻痺の回復より悪い
- 完全回復は全体の4〜9%、部分回復は23〜43%、回復が全くないものは16〜28%
- 発症後4週までに回復のピークを迎え、3ヶ月までが限度となる
- 実用レベルまで回復するかどうかは発症した時点での麻痺の重症度で決まる
発症時における麻痺の重症度に応じて、回復の予後予測ができます。
麻痺が軽度の場合
発症後1週間の時点で実用レベルまで回復するかどうかの予測が可能です。
麻痺が中等度の場合
早期の予測は困難であり、3〜4週間は経過を見た方が良いです。
麻痺が重度の場合
実用レベルまでの回復は極めて困難となりますが、6週程度は経過を見た方が良いです。
発症時から重度麻痺であっても年齢が若い場合(59歳以下)は3ヶ月以降でも長期の回復を認めた報告があります。
重度の麻痺でも諦めないことが重要です。
ちなみに、
脳梗塞よりも脳出血の方が麻痺の回復が良い傾向にあるとのこと。いわゆる「伸びしろ」は脳出血の方が大きいみたいです。
▶︎ 脳出血後遺症の片麻痺は治る?回復過程は?脳梗塞との違いは?
リハビリの効果は?
以下の目的に対して
作業療法が主体となって介入していきます。
- 麻痺した手の柔軟性を保つ
- 促通手技による麻痺手の随意性向上
- 麻痺手の日常生活動作への参加を促す
麻痺した手は動かさないとすぐに固くなっていきます。麻痺の回復を待ちつつリハビリでストレッチや麻痺手の運動を繰り返し行うことが重要となります。
「麻痺した手にリハビリの効果が絶大」とまでは断言できませんが、リハビリをしないと回復する機会すらも逃してしまいます。
また、
リハビリ以外の日常生活で麻痺した手を動かすように意識すると良いでしょう。
以上、参考になれば幸いです。
でわ。
気になる再生医療のお話はこちら
▶︎【再生医療で回復】脳梗塞後遺症の片麻痺は治る?脳出血は?
▶︎ 脳出血後遺症の再生医療はどうなる?麻痺を回復させるには?
始めまして このごろ拝見させていただいています。
先日の痺れと漢方薬の件で 3年間悩んでいたことが少しでも軽減すればと思い
今回の検視ウンの時にお医者様に相談して
漢方薬 -53番を飲んでみることしました。
お医者さんは68番も言われたけど 取り合えず53で
3ヶ月飲んでみます。
少しでも嫌な痺れが減ってくれると良いのですが。
コメントありがとうございます。
脳卒中由来のしびれは難治性でとてもつらいですよね…
漢方薬も効き目は人それぞれですが、
薬が効かない場合は継続して飲んでみる価値はあると思います。
kazu様のしびれが少しでも軽くなることを祈っています。
前兆もなく 脳出血 でした。 血圧高いといわれたけど
危険レベルに行かず特に薬飲むことしませんでした。
発病の7日前 胃カメラ飲んだ時せめて血圧測定しておけば–
コメントありがとうございます。
そうだったのですね。
原因として血圧以外にも脳血管の奇形の影響で出血するケースもあります。
再発予防には血圧管理が最重要なので以後お気をつけください。
教科書的な回答でも構いませんが教えてください。
足のマヒですがかかとが浮いた状態です。これはリハビリしても治らないのでしょうか?発病から1年6月経過
質問ありがとうございます。
歩いている際に足のかかとが浮いている状態ということですね?
それは恐らく、ふくらはぎ(下腿三頭筋)のこわばりによって生じる尖足拘縮が原因だと思われます。
尖足拘縮とは足首が下を向いた状態で固まってしまうことを言います。
それにより裸足で歩こうにも踵がつかない状態になっているのだと考えます。
発症から1年6ヶ月経っているということは不可逆生である可能性が高いです。
一般的なリハビリとして、
傾斜台などで自分の体重を利用してじわじわストレッチしていく、
それでも効果がなければ外科的な処置で尖足拘縮を改善するしかありません。
(アキレス腱を切るなど)
仮に、
安静時で足関節背屈の角度が0度以上あるのなら、足首のストレッチに加えて、
ふくらはぎの筋緊張を落とすことで踵はつきやすくなるかもしれません。
筋緊張への治療はボトックス注射療法というものがあります。
是非ご参考に。
母が高血圧のため、昨夜倒れ脳内出血でした。記事を読ませて頂いております。都内で有名な病院やリハビリセンターをご存知でしたら教えて頂ければと思います。記憶障害がでると言われたのですが、例えばどんなことになるのでしょうか?リハビリで治すことは可能でしょうか?
コメントありがとうございます。
お母様の突然の脳内出血で、さぞ不安に思われたことでしょう。
心中お察し申し上げます。
都内では
「初台リハビリテーション病院」か
「赤羽リハビリテーション病院」が飛び抜けています。
リハビリテーション医師の常勤数、リハビリスタッフ数、病床数、
1日あたりのリハビリ実施時間の多さではこの2病院には敵わないでしょう。
脳内出血した部位によって記憶障害などの高次脳機能障害は様々です。
現在、意識ははっきりしていますか?半身麻痺は重度ですか?
まだ発症して間もないため、今後症状は変化する可能性が高いです。
おそらく脳内出血した部位から推測して今後記憶障害などの後遺症が残ると、
医師から説明があったのだと思います。
記憶障害の症状も程度も様々です。
新しいことが覚えられない、過去または発症前のことを思い出せない、
短期の記憶保持が困難になったり(数時間前のことを覚えてられない)
など。
治るかどうかもその程度によって人それぞれです。
脳の自然回復によるところと、
リハビリの訓練効果によるところがありますが、
リハビリで完全に治すことは難しいと考えます。
記憶障害に対して代替手段を模索したり、
(メモ書きするようにクセをつける、記憶できなくても生活が成り立つような環境設定にする、など)
周りの人の理解も必要になります。
今後転院してリハビリを進めていく中で、
ご不明な点は、病院のリハスタッフ(主に作業療法士や言語聴覚士)
に詳細を尋ねていただくと良いでしょう。
長文駄文、失礼しました。
ご健闘を祈っております。
はじめましてなかなか画期的ですね私は、4年前脳出血を発祥し、左半身麻痺、1級障害者で、リハビリの効果で、杖なしで歩ける。間で回復しました。が、左手がなかなか動いてくれません
犬塚様
コメントありがとうございます。
リハビリの効果で杖なし歩行まで回復されたのには感服いたしました。
頑張られたのですね!
上肢の麻痺は下肢に比べて回復は難渋するかと思います。
引き続きリハビリを継続していただけると幸いです。
匿名希望様
コメントありがとうございます。
私も同感です。人間の可能性を信じ、諦めないこと。
麻痺した手を極力生活の中で使用することが重要です。
使用頻度は多ければ多いほど良いのですから。
リハビリでは麻痺肢の不十分な運動に対し、
電気刺激や振動刺激を併用することもあります。
参考までに。
はじめまして。
母(50代)が半年前脳出血で倒れ先日回復期のリハビリを終え退院しました。
発症時は全く歩けずでしたが2ヶ月くらいで杖なしで歩けるようになりました。ですがやはり左手が思うように回復しないまま退院となってしまいました。(少しずつ良くはなっていたのですが6ヶ月ぎりぎりまで入院していたので。。)
肩が脱臼のような感じになっていて痛みであがらなかったりも原因のようです。
地域包括センターの方には若いし介護保険でのリハビリ(通所や訪問)は必要ないと言われてしまいました。確かに生活は自分で大体できるので必要ないかもしれませんが。。。
どこか都内で退院後、医療保険か介護保険(要支援2です)で週2回くらいでリハビリを見てくれるところはないものでしょうか?先日から近くの整形外科で15分くらいのリハビリに週1回行くことにしました。もう少し長くやってくれたらなと思うのですが保険内ではなかなか難しいですかね?保険外であまり高額でないところもありますでしょうか?
電気刺激や振動刺激はやはり整形外科でしょうか?
長文失礼いたしました。
周りに相談できる人がおらず質問ばかりになってしまいました。お時間あるときにお答えいただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
saya様
コメントありがとうございます。
発症後半年間、お母様は頑張られたのですね。
杖なし歩行まで獲得されたのには驚きました。
現在の医療制度では発症後180日経過していると病院で行えるリハビリの頻度は激減します。
だいたい外来リハビリで月13単位(1単位20分)となることが多いです。
介護保険下でも結局は個別対応の時間も限られるためリハ頻度としてはさほど変わらないでしょう。
整形外科で電気刺激や振動刺激を積極的にやるというのはあまり聞いたことがありません。
運動麻痺に対して電気刺激や振動刺激を併用して運動を促通するのは川平法の基本的な手技です。
都内に住んでいないため詳細は分かり兼ねます。申し訳ありません。
自費で探してみると以下のようなリハセンターが都内にあるみたいです。金額はそこそこですが。参考までに。
http://noureha.com/