今話題の再生医療..
脳梗塞の麻痺は再生医療で回復する?
脳出血の場合はどうなの?
脳梗塞の再生医療とは?
札幌医科大学では、
1990年代後半より骨髄由来の骨髄間葉系幹細胞に注目し、経静脈投与によって
「脳梗塞に伴う神経症候に治療効果がある」
という基礎研究結果を多数報告しています。
【本望修 教授(ほんもうおさむ):札幌医科大学付属病院神経再生医療科】
2007年より12名の臨床試験が行われており、
なんと、
最短で投与当日の夜に麻痺して全く動かなかった手が少し握れるようになった人もいます。(徐々に改善する例もあり、長くて1年近くかけて改善した人もいたそうです)
幹細胞とは?
幹細胞はいろいろな臓器へ変身できる細胞のこと。
脳梗塞の治療では血管が新たに作られること(血管新生)が重要となります。
治療の流れ
- 骨髄液の採取:腰から脊髄液を取り出す。(30cc程度)
- 脊髄液から幹細胞を分離
- 幹細胞の培養と品質検査:約1億個の幹細胞を40mlのパックに封入(培養には約2週間かかる)
- 静脈投与:30分〜1時間かけて投与(1回のみ)
培養に時間がかかりますが治療自体は非常にシンプルです。
点滴で薬を投与するだけなのですから。
また、
自分の体内から取り出した細胞を培養して投与するので、拒絶反応のリスクは少なく安全です。
治療のメカニズム
幹細胞投与後の作用機序は以下の通り。
- 神経細胞に対する栄養因子の放出
- 抗炎症作用
- 血管新生
- 神経再生
作用機序の経過としては、
1週間以内に血管新生が始まり、1週間を超えると神経再生が始まってきます。
そして、
投与後2週間で血管新生効果による脳血流の改善を認めるとのこと。
治療例
右片麻痺、50歳代の男性 発症後6週間経過した状態で幹細胞を投与。 投与後2週間(発症後8週間) 投与後8週間(発症後14週間) 最終的には社会復帰を果たした。 |
発症から6週間ならばまだ麻痺の自然回復は見込める時期ではあります。ただ全く動かせない状態からコップを持てるまでに回復したのはすごいです。
再生医療を受けるには?
現在は厚生労働省に医療品として認めてもらうための臨床試験を行っており、Phase3の段階まで到達しています。
(Phase3:多数の患者に対して治療を行う段階。他施設共同で行う場合が多いが、今回の治験は札幌医科大学附属病院に限る)
順調にPhase3の治験が終了して厚生労働省に承認されれば、数年後には医療品として世に出る可能性も十分にあります。
治験を受けたい方はこちらより詳細をご確認ください。
※ 治験には参加基準が設けられているので皆が受けられるわけではありません。ご了承ください。
脳出血の再生医療は?
残念ながら、
現時点では日本では脳梗塞に限り治験を行っているそうです。
今後の展望に期待したいところです。
ちなみに、
アルメニアって国はご存知ですか?
アルメニアでも再生医療をやっているみたいです。
▶︎ 脳出血後遺症の再生医療はどうなる?麻痺を回復させるには?
【追記】
札幌医科大学の本望修教授に以下の質問をし、御返答頂きました。
質問
「再生医療について、脳梗塞のみが治験適応なのは何故でしょうか?脳出血は再生医療の 対象にはならないのでしょうか?」 回答
当大学では治験として実施しておりますため、対象となる患者様につきましては国から認められた厳密な条件下で治験を進める必要があります。
その全てに合致する方が治験に参加できます。
今回の治験では「脳梗塞」の患者様を対象としていることから脳出血の患者様は対象となりません。現在、実施しております脳梗塞と脊髄損傷の治験以外の
疾患につきましても基礎研究を実施しております。せっかくご連絡をいただきながら誠に申し訳なく存じますが、
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます北海道公立大学法人 札幌医科大学附属病院
神経再生医療科
本望 修 (代:安田育子)
この返答内容によると、
脳梗塞や脊髄損傷以外の疾患についても基礎研究を行っているみたいです。
ということは脳出血の治験もいずれは始まる可能性があるということでしょうか。
【今すぐ再生医療を受けたいなら自費診療】
脳梗塞後遺症の再生医療を受けるには?自費診療の費用や効果は?
まとめです。
今後は脳を治す治療が主流となります。
この幹細胞の新薬が世に出れば脳梗塞の後遺症は軽減でき、自立できる患者も増えていくでしょう。もちろん、幹細胞投与に加えてリハビリテーションの併用も重要となります。
▶︎ 脳梗塞後遺症のリハビリ内容と方法は?
▶︎ 脳卒中のリハビリは早く始めるべき!家族とできるリハビリとは?
▶︎【脳梗塞後遺症のリハビリ】回復期病院にかかる費用は?
▶︎ 脳卒中のリハビリの期間はどれくらい?リハビリを長く続けるには?
以上、参考になれば幸いです。
でわ。
私は7年前に、脳梗塞似、なり左半身麻痺しました。けどあきらめず、リハビリの結果今では、杖無しでかなり歩けるようになりました。しかしまだ左手が動きません隙を見つけては、スマホで、どうにか動くようにならないか検索していましたら再生医療を、見つけました。先生野、研究だけが、最後の蜘蛛の糸です。お願い致します。なるべく早く研究が、完成する事お祈りしています。一日も早く福岡でもその再生医療が、できますようお願い致します
永末様
コメントありがとうございます。
返信が遅れてしまい申し訳ありませんでした。
現在杖なしで歩行されているのには驚きました。努力されたのですね。
上肢の麻痺はなかなか治りにくいため辛い思いをされているのでしょう。
日本では札幌医科大学の臨床研究が最も進んでいます。
3〜5年後には治療薬として認められる可能性があります。
ただ急性期の患者しか治療対象にならないかもしれません。
(現在の治験では発症後期間に制限があります)
こちらのクリニックでは再生医療の治療を保険外で行っています。
ふくとみクリニック(大阪市)
http://www.apoplexy.jp/
参考になさってみて下さい。
一年前に脳出血で倒れて右手右足に麻痺あります
右手が動かして仕事もしたいです
人生を変えたいです
再生治療ができ回復するなら
お願いします
右手だけでいいです
助けてください
お金かかるなら無理ですけど
お願いしたいです
海老原様
コメントありがとうございます。
残念ながら脳出血は再生医療の治験対象として取り扱っていないようです。
脳梗塞は治験を進めており、実用化に向けてあと数年というところまできています。
日本における脳出血の再生医療の実用化は、まだまだ時間がかかることでしょう。
札幌医科大学の脳梗塞再生医療はいつごろ実用化ですか。また慢性期でも効果)ありますか
榎本様
返信が遅くなり申し訳ございませんでした。
現在治験は最終段階となりますので実用化は数年後と言われています。
慢性期患者への効果もありますが、治験の対象は急性期患者となっています。
慢性期脳卒中患者への実用化はまだ先になりそうです。
母(70歳)が昨年7月28日にくも膜下で倒れ術後すぐ脳梗塞を発症しました。
今は札幌市のクラーク病院でリハビリのため入院中です。左側の麻痺で手は少し動くようになってきましたが、足は全く動きません。前のようにとは言いませんが、どうしてもまた歩けるようにしてあげたいです。何とかなりませんか?よろしくお願いいたします。
山本様
コメントありがとうございます。
返信が遅くなり申し訳ありませんでした。
その後の経過はいかがでしょうか?
高次脳機能障害がなければ(年齢にもよりますが)
足の麻痺が重度でも装具や杖を用いれば歩行をすること自体は可能です。
介助や見守りが外れるかどうかは歩く環境にも左右されるかと思います。
あとはリハビリの頑張り次第でしょうか..