脳ドックで脳動脈瘤が見つかったらどうなる?

すぐに手術しなきゃダメ?瘤が破裂しちゃう?

気になる治療方針や手術のリスクについてご紹介します。



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脳ドックとは?

脳ドックMRI

脳ドックでは主に下記の検査を行います。

  1. 頭部MRI検査頭部を色々な角度から撮影することで無症候性の脳梗塞・脳出血・脳腫瘍の有無を調べる。現在の自身の脳の状態を知ることができる。
  2. 頭部MRA検査:脳動脈を撮影することで血管の奇形や狭窄、AVMによる血管の塊の有無、動脈瘤の有無や大きさの程度を調べる。
  3. 頸部MRA検査 or 頸動脈超音波(エコー)検査:頚動脈の動脈硬化の程度、頚部の血管狭窄、コレステロール・プラークの有無を調べる。

頭部MRA検査で脳動脈瘤の有無や大きさを調べることができます。

動脈瘤が見つかった場合、
それが破裂してくも膜下出血を発症する確率はどれくらいあるのでしょうか?

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未破裂脳動脈瘤が破裂する確率

以下の実態調査によると…

2001年1月〜2004年4月の間で、未破裂脳動脈瘤と診断された成人5720人を対象に、その後の経過を調査した報告によると、経過観察中に111人がくも膜下出血を発症し、全体での年間平均出血率は0.95%であった。加えて、出血のリスクは、瘤の大きさや場所、形状などに影響されることも明らかになった。(引用:http://www.senshiniryo.net/stroke_c/03/index.html)

仮に40歳で動脈瘤が見つかった場合、80歳までに動脈瘤が破裂する確率は約38%にのぼります。

破裂しやすい要因は?

瘤の大きさ

瘤が大きいほど破裂しやすく、
最大径が3~4mmの小型動脈瘤に比べると

  • 7~9mmでは3.4倍
  • 10~24mmでは9倍
  • 25mm以上では76倍

と破裂率は高くなる。

瘤のできた部位

動脈瘤が生じた血管が細ければ動脈瘤が小さくても破裂のリスクが高くなる(前交通動脈や後交通動脈の血管は細いため破裂リスクは高い)

瘤の形

いびつな形ほど瘤は脆く破裂しやすい。

治療方針の選択

一般的には
動脈瘤の大きさが、

4mm以下は経過観察(生活指導および内科的治療)

10mm以上は外科的治療

を選択します。

5〜10mmの場合は以下の要因を考慮して外科的治療か経過観察かを選択します。

  • 年齢
  • 家族歴
  • 生活レベル
  • 仕事
  • 脳動脈瘤がひとつ以上ある場合
  • 手術の難易度
  • 持病

経過観察

4mm以下の場合はMRI、MRAで、4mmより大きい場合は3D脳血管撮影で経過観察します。

脳ドックで動脈瘤が見つかってから、3ヶ月、6ヶ月、1年のタイミングで検査を行い、瘤が大きくなっていないか確認していきます。目立った変化がない場合、それ以降は1年毎に検査していきます。

※5mm以下の脳動脈瘤でも、その内の2%程度は大きくなったり、形が変わる可能性があります。瘤の大きさが変わらなくても形が変化するような場合は外科的治療を選択する可能性もあります。

破裂を予防するには?

喫煙、高血圧、過度の飲酒は絶対にダメ。

とにかく生活習慣の見直しがとても重要となります。高血圧や脂質異常症などで指摘されている方はそれらの治療を積極的に行い、血管へのストレスを減らしましょう。あと外傷を伴うような激しいスポーツ以外は積極的に行うべきです。特にジョギングなどの有酸素運動が効果的です。

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外科的治療

脳動脈瘤手術

以下の2つの手術が主流となっています。

  • 開頭クリッピング手術
  • 血管内コイル塞栓術

頭にメスを入れて治療するか

血管内から治療するか

2つの治療法には大きな違いがあります。

開頭クリッピング手術

開頭クリッピング術

  • 開頭後に動脈瘤の根元を金属クリップで挟んで、動脈瘤内に入る血流を遮断する。
  • 頭にメスを入れて脳を触るので血管内コイル塞栓術よりは侵襲性が高い。
  • クリップが完全に瘤にかかってしまえば、動脈瘤の破裂やその部位での再発の可能性はきわめて低くなるため、根治する可能性は高い。
  • 脳の表面から深い位置にある動脈瘤の場合は治療が困難となる。
  • 術後は10〜14日程度で退院可能。

血管内コイル塞栓術

血管内コイル塞栓術

  • 足の付け根から血管の中にカテーテルを挿入して頭の動脈瘤にまで誘導し、血管の中から動脈瘤内にコイルを詰めて血流を遮断する。
  • 脳に全く触れずに行える侵襲の少ない治療。
  • 侵襲性が低いため体力のない高齢者にも適している治療法。
  • 動脈硬化が強く、カテーテルが動脈瘤まで到達出来ない患者は適応にならない。
  • 術後は約1週間で退院可能。

手術のリスクと副作用は?

開頭クリッピング手術

頭部を切開して脳と脳の隙間で行う手術であるため、術後に脳神経障害(動脈瘤の部位によって異なる)が残る可能性がある。また術後は一時的に傷口の痛みや違和感に悩まされることも多い。

血管内コイル塞栓術

治療中はヘパリン(抗血小板薬)という血を固まりにくくする薬を投与するため、治療中に動脈瘤が破裂すると非常に危険。またヘパリンを投与していてもカテーテルやコイルの周囲に血栓が生じて脳梗塞を起こす可能性もある(治療後も血栓予防として一定期間ヘパリンを服用する必要がある。そのため血が止まりにくい状態でいなければならないリスクもある)

※いずれの治療法においても、手術後はMRAやMRIなどの検査を定期的に受ける必要がある。

まとめ

脳動脈瘤治療

どの治療を選択すべき?

脳動脈瘤の部位、形、大きさから破裂リスクをよく確認し、治療に伴う合併症などのリスクも考慮して、治療するかどうか、またどのような治療を受けるかを決めるべきです。

最近では低侵襲で頭にメスを入れないことから、血管内コイル塞栓術を選択する人が多いです。ただ、治療に伴う合併症の国内発生率は開頭クリッピング術とほぼ同じという報告もあります。一概にどちらがより安全かは判断が難しいでしょう。

まずは担当医と相談してより安全な治療方針を慎重に決めていきましょう。

以上、参考になれば幸いです。