くも膜下出血の後遺症で
性格が変わる?
原因は?元に戻るの?
くも膜下出血とは、
脳の周りを覆うくも膜内で起きた出血のことを言います。
その出血で頭蓋内圧が亢進し、意識障害や脳ヘルニアによって、生命の危険に晒されてしまいます。
全身状態が落ち着いて山を超えれば、後遺症なく日常生活へ復帰することが可能です。
ただ皆がそうなるとは限りません。
怖いのは、
出血がくも膜内に留まらず脳実質内に及んでしまう
脳血管攣縮や水頭症などの合併症の併発
です。
これらにより、以下のような様々な後遺症が残る恐れがあります。
- 運動麻痺
- 高次脳機能障害
- 言語障害
- 認知症
- 歩行障害
- 尿失禁
- 視力障害
なかでも
高次脳機能障害や認知症は患者の性格を変容させ、コミュニケーション能力低下、社会復帰困難の原因となってしまいます。
今回は
くも膜下出血後に性格が変わってしまう原因について、高次脳機能障害の説明や予後も交えて解説していきます。
性格が変わる原因は?
くも膜下出血後に性格が変わってしまう原因として以下の2つが挙げられます。
- 高次脳機能障害:脳のより高次な機能(記憶・注意・言語・行為・認知)が低下し、社会や日常生活への適応が困難となる障害
- 認知症
高次脳機能障害は、脳実質内への出血や脳血管攣縮による脳梗塞で前頭葉が障害されたり、頭蓋内圧の亢進で前頭葉が圧迫されることで生じます。
認知症は正常圧水頭症を合併した際に生じる三徴(認知症、歩行障害、尿失禁)に含まれます。
高次脳機能障害と認知症が性格変化に及ぼす影響についてはこちらの記事を参考に。
▶︎ 脳の病気で性格が変わるの?原因は?
性格は元に戻る?
正常圧水頭症による認知症で性格が変化している場合、シャント術後に改善する可能性は大いにあります。
▶︎ 正常圧水頭症の症状やシャント術後の予後は?
逆に、
高次脳機能障害によって性格が変化している場合は、高次脳機能障害の回復の程度によります。
すなわち
脳内の血腫の吸収や脳梗塞後の脳浮腫の改善に伴って、高次脳機能障害もある程度の回復が見込めます。それに伴って性格の変容が落ち着く可能性もあります。
最後に
変化した性格が元に戻らないことも十分考えられます。
大事なのは、いかに
「今のその人の性格を受け入れてあげられるか」
だと思います。
以前と違う性格に困惑してついこちらもカッとなったり、逆撫でするような態度をとってしまうことはお互いのためになりません。
まずはその性格の変容を冷静に捉えて、どのような対処が最適なのかをリハビリスタッフ(作業療法士や言語聴覚士)に尋ねてみましょう。
相手を変えたいのなら、まず自分から変わる必要があります。
以上、参考になれば幸いです。
でわ。
後遺症のしびれでお悩みの方はこちらの記事もどうぞ。
▶︎ 脳出血後遺症のしびれは治る?原因は?リハビリの治療効果は?
▶︎ 脳出血後遺症のしびれは厄介!薬が効かないときの対処法は?
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