くも膜下出血の治療
クリッピング手術って何?
術後の経過は?
くも膜下出血後の治療では頭蓋内圧亢進による脳ヘルニアや再出血や脳血管攣縮などの合併症を予防することが重要となります。
そのために以下の治療を行っていきます。
- 血圧管理:降圧薬
- 頭蓋内圧管理:抗脳浮腫薬
- 動脈瘤に対する手術
再出血のリスクは?
くも膜下出血の原因は脳動脈瘤の破裂によるものが圧倒的に多いです。初回の破裂で大量の出血が起こってしまえば最悪心肺停止に至ってしまいますが、ほとんどの人の出血は自然に止まります。
ただし
一度破裂した動脈瘤は短い時間のうちに再出血する可能性が高いと言われています。再出血する確率は20〜30%であり、発症後24時間以内に最も起こりやすいです。
再出血後の予後は極めて不良であり、症状が急変して死に至る場合もあります。発症後はなるべく早く動脈瘤からの再出血を起こさないようにする処置が必要です。
出血した動脈瘤に対する手術には開頭手術と血管内手術の2つの方法があります。
- クリッピング術(開頭手術)
- コイル塞栓術(血管内手術)
今回はスタンダードな再出血予防処置であるクリッピング術について、説明していきます。
クリッピング術とは?
クリッピング術は開頭して直接動脈瘤をクリップで挟んで止血する術式です。直接病変を治療するため確実性が高く、血腫の除去もできるため脳血管攣縮の予防などにも役立ちます。(脳血管攣縮の合併リスクが少ない72時間以内の手術がベスト)
出血した動脈瘤のくびれ部分をクリップで摘むことで、動脈瘤への血流を遮断し再出血を防止します。
侵襲性が高いため、重症患者や高齢者には手術を行わない場合もあります。
経過は?
手術後はひとまず再出血のリスクを軽減できたので一安心..
したいところですが
脳血管攣縮の合併時期が発症後72時間〜2週間であるため、脳血管攣縮の合併を予防す治療が必要となります。
脳血管攣縮による脳梗塞を合併すると麻痺や言語障害などの後遺症が残ってしまう可能性があるため注意。
以上、参考になれば幸いです。
でわ。
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