脳梗塞や脳出血の後遺症により片麻痺となった場合、早期から装具を作成し歩行訓練を行うことが勧められています。麻痺の重たい患者が歩くには装具は欠かせませんが結構お値段するんですよね..

でも大丈夫!装具代金の払い戻し手続きによって実質1〜3割の負担で購入できるんです!



脳出血予防サプリ

入院加療中に作成する装具は治療用装具と呼ばれています。

脳卒中片麻痺患者に作成される治療用装具は高いもので20万円するものもあります。
【脳梗塞片麻痺の歩行リハビリ】短下肢装具の種類や値段は?

高くて払えません!

ってなりますよね。でもご安心を。

治療用装具は保険適用なので各種保険制度に応じた金額が後々還付されます。

今回は
治療用装具購入の手順」や「保険申請(還付申請)」について説明していきます。

治療用装具購入の手順

  1. 装具の選定・型取り
  2. 装具完成時に代金を業者に全額支払う。
  3. 各種健康保険窓口に還付申請する。

装具は型取りをしておおよそ1週間後には完成します。

受け取りの際には装具業者から領収書がもらえますこの領収書は申請の時に必要となります
業者によっては現金払いだったり口座振り込みだったりします。

おおまかな流れは以下の図をご覧ください。

装具作成の流れと申請

(出典:佐々木義肢製作所より転載)

※ ⑤の請求還付申請のことをさします。

還付申請の際に必要な書類

  1. 保険証
  2. 印鑑(認印)
  3. 診断書または装具装着証明書(主治医が作成)
  4. 装具代金領収書
  5. 還付金振込先の口座番号(銀行のみ)

要注意!

  • 後期高齢医療費(75歳以上)の方は後期高齢者医療被保険者証が必要となります。
  • 申請先によっては必要書類が微妙に異なることがあります。事前に各種健康保険窓口への確認するか装具業者の人に相談してみてください。

各種保険制度に応じた申請先と還付金額は以下の表をご参照ください。

医療保険制度申請先還付金額
国民健康保険各市町村の国民健康保険窓口7割
全国健康保険協会
(協会けんぽ
各都道府県支部 ※ 申請は郵送可
申請書はこちらでダウンロード可能
▶︎ 健康保険療養費支給申請書
7割 
組合・共済等各職場の社会保険担当7割 
後期高齢医療者
(主に75歳以上)
各市区町村の後期高齢医療者課担当窓口7〜9割
生活保護受給者各市区町村の生活保護担当課窓口10割

※ 後期高齢医療者の自己負担額(1〜3割)については「後期高齢医療被保険者証」に明記されているのでご確認ください。
※ 生活保護受給者の場合は住まいの市町村の福祉事業所に申請することで、代わりに代金を支払ってもらえます。

保険申請から還付されるまでの期間は?

「治療用装具の還付は申請してからどのくらいで振り込まれるのですか?」

という質問が多いですが、申請先によって異なることが多いです…

早くて1ヶ月。遅いと2~3ヶ月かかることもあります。 

まとめ

  • 装具作成時はとりあえず全額先払い。
  • 1〜3ヶ月後に7〜9割戻ってくる(生活保護者は負担なし)

とにかく先に払ってしまえば後から7〜9割は戻ってきます。

長下肢装具だと20万円するものもあるので、保険適用で2〜6万円くらいの負担ならまだマシですよね。決して安いとは言えませんが、長下肢装具は早期の歩行リハビリで欠かせないものなので迷わず作成するべきです(適応の患者さんに限りますが)
 脳梗塞後遺症の歩行リハビリ|麻痺の重い患者は長下肢装具から

麻痺の回復具合によっては入院中にまた新たに装具を作る可能性もあります。同じように還付を受けることができますが医療保険で作るのか、身障手帳で作るのか、色々と考えなければならないことがでてきます…そんな時は以下の記事も参考にしてみて下さい。
脳梗塞の装具作成と修理|保険と身障手帳ではどちらがお得?

あと、
申請がめんどくさい!と思う方もいるかもしれません。

その場合は装具業者の義肢装具士さんに色々尋ねてみましょう。

還付申請の方法など、きっと丁寧に教えてくれるはずです。病院によっては義肢装具士さんが常駐しているところもありますが、基本的には週1〜2回程度しか病院に来ないことが多いです。滞在時間も10時〜15時と不規則なことも多いため、義肢装具士さんに聞きたいことがあれば事前にリハビリの先生に伝えてアポを取っておいてもらうと良いでしょう。

以上、参考になれば幸いです。

でわ。