脳梗塞や脳出血の後遺症で麻痺した足はむくみやすいです。そのまま足のむくみを放っておくと取り返しのつかないことになるかも?
意外と怖い足のむくみ
脳梗塞で麻痺した足はふくらはぎの筋肉に力が入らず、
筋ポンプ作用が機能しにくくなります。
その結果、血液は重力に負けて心臓まで戻れず、
下肢の静脈内に溜まりやすくなります。
これが麻痺した足のむくみの原因です。
実はこの足のむくみを放置すると
命に関わる危険な事態に陥ることがあるんです。
足のむくみは肺塞栓のリスク
足のむくみを放置すると静脈の弁が壊れてしまい
血液が逆流する危険性があります(右図)
弁から逆流した血液は静脈にとどまり、
下の写真のように表在の静脈がボコボコに蛇行して浮き上がってきます。
![下肢静脈瘤](https://i0.wp.com/a-stroke-of-luck.com/wp-content/uploads/2015/02/dc51abe0d919080f091bce06a96687e8.png?resize=223%2C284)
これを下肢静脈瘤といいます。
症状は以下のとおり。
足が重だるい、疲れやすい、つりやすい。
静脈が張って痛む。
皮膚がかゆくなる。
皮膚から出血する。
皮膚に色素沈着が起こる。
皮膚に潰瘍ができる、硬くなる。など
下肢静脈瘤の多くは表在静脈に生じます。
この表在の静脈瘤が原因となり深部静脈に血栓が生じてしまいます。
(これを深部静脈血栓症という)
この深部静脈にできた血栓が血流によって肺まで辿り着き、
肺動脈(心臓から肺へ血液を運ぶ血管)を詰まらせてしまう病気を
肺塞栓症といいます。
別名エコノミークラス症候群としても有名です。
症状は 突然の胸痛、呼吸困難、頻呼吸
血栓が太い血管に詰まった場合は、ショック状態で死に至ることも。
とにかく非常に危険な病気なのです。
ちなみに、
深部静脈血栓症の5~10%に発症するとのこと。
いち早く深部静脈血栓症を察知して
肺塞栓症にならないように!
深部静脈血栓症を早期発見するには?
見た目はこんな感じです。(左足)
- パンパンに腫れるし痛い(腫脹)
- 押しても痛い(圧痛)
- 熱感
- 紅斑
- 足首を背屈する(つま先を上にそらす)ことで
ふくらはぎに不快感が生じる。
上記の症状が出ていれば深部静脈血栓症を疑って
病院で検査をしてもらってください。
(血流検査を併用した超音波検査が一般的)
1番の予防はむくみを改善させること!
そもそも麻痺した足のむくみを改善してしまえば、
むくまないようにしてあげれば、
肺塞栓症の恐怖に怯える必要はないのです。
以上、参考になれば幸いです。
でわ。