脳出血の死亡率は高いの?5年生存率や平均余命はどれくらい?

脳出血の治療による回復率は血腫の大きさに左右される?

脳出血後の気になる予後について詳しくまとめてみました。



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脳出血の5年生存率は50%

発症から

1ヶ月の生存率は84%

「5年生存率は50%

医療の進歩により脳出血の死亡率は減少傾向にあります。

それでも脳出血発症後の急性期で10人中2人は死亡していることになります。これは初発の場合であり、再発の場合は死亡率はさらに高くなります。

しかし、所詮は確率です。

患者の「年齢」「全身状態」「血腫の大きさや部位に左右されるため一概には言えません。

発症直後では20分以内に病院で治療を受けることができれば、生存率はグンと上がり、90%は生存できると言われています。治療により血圧をコントロールし、いかに早く出血を抑えるかがカギとなります。

知らないと危険!?
脳出血を発症しても、きちんと対処すれば生存率を上げられるかもしれません。以下の記事を参考にして事前に把握しておきましょう。
嘔吐はキケン!脳出血で嘔吐した時の対処法とは?

脳出血後の平均余命は?

初発の脳出血の場合、平均余命は約7〜10年間

意識不明の植物状態になった場合、平均余命は約3年間と言われています。
(最長で10年間生存したケースもあります)

依然として脳出血は高齢者に多いため、平均余命も10年未満という結果になっています。70代で脳出血を発症した場合、意識清明で合併症や再発がなければ80代まで生きられる可能性があります。近年の医学の進歩により「平均寿命までは生きられる」といっても過言ではありません。

最近では30代・40代の若い人や中高年の50代でも脳出血を発症するケースが増えています。若年の場合は上述した平均余命(7〜10年)よりは長く生きられるでしょう。

とにかく、脳出血後の急性期で何事もなく経過し、脳出血の再発もなく、脳梗塞も予防できれば平均寿命まで生きられる可能性があるのです。

そして
無事に急性期を乗り越えられるか否かは「脳内の出血量(血腫の大きさ)」にかかっています。

予後を左右するのは血腫の大きさ

脳出血後に形成される血腫の大きさが予後を左右します。

血腫が手術適応となるくらい大きい場合は予後不良となりやすいです。

以下に手術適応となる脳出血の基準についてまとめました。

  • 被殻出血は血腫の大きさが直径4cm以上
  • 小脳出血は血腫の最大径が3cm以上
  • 皮質下出血は血腫が脳の表面から1cm未満に存在する場合

血腫の大きさが直径2.5cm以下の場合は手術適応にはなりません。
(視床出血や脳幹出血は原則的に手術はしません)

手術適応の場合、意識障害をともなうケースが多く、リハビリの進行の妨げとなります。また広範な血腫は運動を司る組織を侵し、片麻痺という後遺症を来します。

脳出血で意識不明に…
血腫が大きいと手術が必要になります。手術によって意識が戻る見込みはあるのでしょうか?
脳出血で意識不明|手術で意識が回復する見込みは?余命は?

血腫は吸収される?

血腫は発症後3〜6時間で最大となります。(およそ2割は発症6時間後でも血腫の増大を認めることがある)

そして、
約1ヶ月かけて血腫は吸収されていきます。

その間、血腫周囲にできた脳浮腫も徐々に改善していき、それに合わせた麻痺の回復を認めることが多々あります。
脳出血後遺症|片麻痺の回復過程について

しかし、
一度血腫によって侵された脳細胞は壊死し、残念ながら回復することはありません。

まとめ

  • 脳出血の1ヶ月生存率は約84%、5年生存率は約50%
  • 脳出血は発症早期の治療が生存率を大きく変える。
  • 初発の脳出血の場合、平均余命は約7〜10年間
  • 血腫が大きく意識障害があると予後不良
  • 血腫は約1ヶ月かけて吸収される。

脳出血の死亡率は減少、生存率は増加傾向にあります。

いずれにしても急性期の「血圧管理」と「血腫の部位・大きさ」がすべてを左右します。

急性期の危機を乗り越えれば、平均寿命までは生きられる可能性は高くなります。