脳梗塞または脳出血の後遺症によって生じた麻痺は回復するの?麻痺の3つの回復過程とその期間についての詳細を述べていきます。
麻痺の回復は一般的に発症から2〜3ヶ月あたりがピークとされています。その後は緩やかな回復を辿りますが発症から6ヶ月〜1年でほぼ打ち切りの状態(プラトー)になると言われています。
前回記事:脳卒中後遺症の片麻痺って治るの?回復の過程や治し方について
では、
回復過程及び期間の詳細について見ていきましょう。
回復過程における3つのステージ
- 神経の再組織化
- 皮質間の新しいネットワークの構築
- 神経細胞同士の伝達の効率化
1.神経の再組織化
残存している運動神経の興奮性を高めることで、失われた機能を回復させる理論です。
このメカニズムは発症直後〜3ヶ月頃に認めます。
発症直後は早期にリハビリを開始し、いかにこのメカニズムを効率的に利用するかがポイントとなります。そのために全身管理を徹底し、早期離床を図るべきです。
2.皮質間の新しいネットワークの構築
新たな神経ネットワークが作られることで回復する理論です。通常、左右の脳は別々で独立した活動をしています。しかし、どちらかの脳が障害を負った場合、お互いに助け合う機構が生まれ、障害を負っていない脳が頑張ってフォローしようとします。結果、大脳の中で新たな神経ネットワークが作られ、失われた機能を回復させます。
このメカニズムは発症後3ヶ月〜6ヶ月頃に認めます。
1と2が麻痺の回復の主なステージになります。劇的な麻痺の回復を認めるのは発症後6ヶ月が限度とされていますが、それ以降でも麻痺の回復を認めるのがステージ3になります。
3. 神経細胞同士の伝達の効率化
神経細胞同士は「シナプス」を介して電気信号を伝達しています。このシナプスによる伝達が効率化することで失われた機能を回復させます。
これは主に2つ目のステージで新たに構築されたネットワークが効率化され、強化されることになります。
このステージでは既に退院して自宅に帰られている患者様が多いのではないでしょうか。退院後もいかにリハビリを継続するかが運動機能の持続的な改善、及び維持を促す秘訣とも言えるでしょう。
まとめです。
各ステージで理論付けられているように、発症後6ヶ月までにいかに集中的にリハビリを行うかが重要となってきます。
そして、
6ヶ月以降も麻痺の回復メカニズムは存在するため、継続してリハビリを行うことが望ましいと言えます。
以上、参考になれば幸いです。
でわ。