脳出血や脳梗塞の後遺症で
性格が変わることはあるの?
原因は?元の性格に戻るの?
脳出血で性格が変わる?
そんな不思議なことが起こり得るのでしょうか?
はい。起こります。
しかも、
かなりの確率で起こります。
よく見られる実例として、
発症前よりも
- 「怒りっぽく、怒鳴るようになったり」
- 「デリカシーのないことを大声で言ったり」
- 「だらしがなく注意散漫になったり」
- 「些細なことで大笑いしたり」
- 「幼い子のような態度や言葉使いになったり」
- 「他人や物事に興味がなくなったり」
これらがすべてではありません。もっと様々な性格の変化が見られます。
とりわけ、
怒りっぽく怒鳴りやすいのは普段接している家族からすれば、決して気持ちの良いものではありませんよね…
では、
何が原因であなたの家族の性格は変わってしまったのでしょうか?
そして、
脳出血や脳梗塞後に変わってしまった性格は果たして元に戻るのでしょうか?
性格が変わった原因は?
ずばり
以下の2つが主な原因となります。
高次脳機能障害
脳血管性認知症
高次脳機能障害とは?
脳のより高次な機能(記憶・注意・言語・行為・認知)が低下し、社会や日常生活への適応が困難となる障害のこと。
高次脳機能障害には様々な種類がありますが、今回は人格変化に影響するものをピックアップしました。
- 記憶障害:新しいことを覚えられない。以前のことを思い出せない。
- 注意障害:気が散ってしまう。注意散漫となる。
- 遂行機能障害:段取りが悪い。こだわりが強く予定外のことに対応できない。
- 社会的行動障害:(以下参照)
社会的行動障害の例
- すぐ人に頼る。子供っぽい。
- 我慢ができずに何でも欲しくなる。欲求のコントロールが効かない。
- 急に怒る、暴れる、泣くなど感情のコントロールが効かない。
- 人の気持ちを推察する、くみ取ることができない。
- こだわりだすといつまでも固執してしまう。
- 人に言われるまで何もしようとしない。意欲・自発性の低下。
- 些細なことで笑ったり泣いたりする。(いわゆる感情失禁)
これらの項目にあてはまって性格が変化している人は多いと思います。
脳血管性認知症とは?
実は
脳出血や脳梗塞の後遺症で認知症になるのです。その認知症が引き金となって性格は変わってしまいます。
詳しくはこちらの記事を参考に
変化した性格は元に戻る?
この疑問は誰もが思うことでしょう。
「どれくらいまで元の性格に近づくのか?」
結論は
「高次脳機能障害の回復の程度による」
すなわち
脳出血や脳梗塞後の片麻痺の自然回復と同じように、高次脳機能障害もある程度の回復が見込めるのです。
その回復は血腫の吸収や脳浮腫の軽減によってもたらされます。
(脳血管性認知症の場合は再発や脳血流の低下によって段階的に症状は悪化し、性格も変容していくため、再発予防が非常に重要となります。)
最後に
脳がある程度回復したとしても、
完全に元の性格には戻らないかもしれません。
大事なのは、いかに
「今のその人の性格を受け入れてあげられるか」
だと思います。
以前と違う性格に困惑してついこちらもカッとなったり、逆撫でするような態度をとってしまうことはお互いのためになりません。
まずはその性格の変容を冷静に捉えて、どのような対処が最適なのかをリハビリスタッフ(作業療法士や言語聴覚士)に尋ねてみましょう。
相手を変えたいのなら、まず自分から変わる必要があります。
以上、参考になれば幸いです。
でわ。
気になる再生医療のお話はこちら
後遺症のしびれでお悩みの方はこちらの記事もどうぞ。