小脳出血で意識不明に..
生存率は?手術で意識は回復する?
どんな後遺症が残る?
意識不明になる原因は?
まず小脳の位置を確認してみましょう。
図の赤色の部分が小脳です。
小脳は脳幹の後ろに位置しており、脳幹の中脳・橋・延髄と神経線維でつながっています。
小脳出血により血腫が形成されると、前に位置している脳幹が圧迫を受けることで意識障害が生じます。
生存率は?
小脳出血の影響で圧迫される脳幹は生命維持に重要な機能をたくさん担っています。
よって
生存するか否かは小脳出血における血腫の量に左右されます。
小脳出血患者の他施設研究では、
「血腫量が30ml以上のケースで死亡率は高まる」
と報告がありますが、一概には言えません。患者の年齢や全身状態によって生存率にはばらつきがあります。
脳出血全体で見れば小脳出血の生存率は比較的高いです。
手術で意識は回復する?
意識障害の程度は以下の要因に左右されます。
- 形成された血腫の大きさ
- 血腫周囲に生じた脳浮腫の程度
上図は小脳出血のCT画像です。(赤丸で囲った部分が出血部位です)
これぐらい出血が大きいと意識障害が出現する可能性が高いです。
そして
出血の量によって手術するか否かが決定されます。
CT画像上における血腫の大きさが
3cm以下ならば、内科的治療(血圧コントロールが主体)
3cm以上ならば、開頭または内視鏡下血腫除去術
となります。
発症時に意識清明でもしばらくすると意識障害が出現することもあります。その場合は血腫が増大している可能性が高いため手術の適応となります。
手術後に意識が回復するかどうかは具体的な確率で示すのは不可能です。
それは、
以下のような様々な要因に左右されからです。
- 発症から手術までの時間
- 血腫の量
- 年齢
- 全身状態
- 再出血の有無
手術適応になるくらい血腫が大きいと重篤な後遺症が残るケースが多いです。小脳出血の後遺症に関してはこちらの記事を参考に。
以上、参考になれば幸いです。
でわ。
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