脳梗塞や脳出血の後遺症で嚥下障害になったらどうする?
リハビリで嚥下障害は治る?
それとも胃ろうを造設すべき?
嚥下障害になったら…
嚥下障害には、
全く食べられなくなるケース
食べることは可能だが食事の形態を工夫しなければならないケース
の2通りがあります。
どの場合も、病院では言語聴覚士(ST)という専門の療法士が嚥下のリハビリを行い、口から食べられるように支援をしていきます。
嚥下障害の危険性や嚥下リハビリの実際についてはこちらの記事を参考に。
そして、
全く食べられなくなった場合は以下の2つの方法で栄養管理を行います。
- 経鼻経管栄養(NG):鼻からチューブを挿入し、チューブを通して栄養を胃に運ぶ。
- 胃ろう(PEG):胃に穴を開けることで直接胃に栄養を注入する。
経鼻経管(経鼻胃管)のしくみ
胃ろうの仕組み
胃ろうはあまり聞きなれない単語だと思います。
というより、
いくら栄養管理のためといっても、胃に穴を開けることには相当な抵抗があるはず。
それならば、
経鼻経管栄養のほうが良いと思いません?
でも
実際はそうじゃないんです。
胃ろうのメリットは?
一般的に、
胃ろうは「延命処置」のイメージが強いと思われがちです。
が、しかし、
それだけではないんです。
胃ろうにすることで経鼻経管栄養のデメリット(以下参照)を避けることができます。
- 鼻から喉を経由して胃にチューブを通しておくと嚥下の妨げになる。
- 喉にあるチューブの影響で誤嚥性肺炎のリスクが高まる。
- チューブを自己抜去してしまうリスクがある。
- 長期間チューブを留置していると菌が発生して不衛生。
- 胃瘻よりも頻繁にチューブを交換するため患者への負担は大きい。
経鼻経管栄養よりも胃ろうを造設したほうが、嚥下のリハビリは非常に行いやすくなります。(この事実は嚥下リハビリ担当の言語聴覚士が1番よくわかっています)
最後に
胃ろうは胃に穴を開けるため、ある程度の侵襲は間逃れません。患者の全身状態が悪い場合は相応のリスクを伴います。
ですが、
胃ろうを造設することで、
嚥下リハビリは円滑に進み、
経鼻経管栄養よりも誤嚥性肺炎のリスクは下がり、
栄養状態が改善することで
積極的なリハビリ(理学療法や作業療法)が行えるようになる可能性は高くなります。
また、
嚥下リハビリが順調に進めば
最終的には胃瘻をなくす(お腹の穴を閉じる)
ことも可能なのです。
現にそういう患者も少なくありません。
もし胃瘻造設にお悩みのようなら、今一度、担当医師や言語聴覚士に相談してみてはいかがでしょうか?
以上、参考になれば幸いです。
でわ。
気になる再生医療のお話はこちら
後遺症のしびれでお悩みの方はこちらの記事もどうぞ。