脳出血や脳梗塞の後遺症である言語障害は治るの?
言語障害の回復過程やリハビリの方法についてまとめてみました。
失語症とは?
左脳には
言語機能を司る言語野が存在します。
脳出血や脳梗塞によって左脳に障害が生じた場合、右片麻痺に加えて言語障害(いわゆる失語症)が後遺症として出現します。(交叉性失語など右脳の障害で失語症になるケースもありますが)
一般的に
「聴く」「話す」「読む」「書く」の4つすべてが障害されたものを「失語症」と言います。
失語症の種類を大まかにまとめました。
- 全失語:ことばを話すことも理解することもできない。
- ブローカ失語:ある程度理解はできるが話すことの障害が著明。
- ウェルニッケ失語:理解の障害が著明だが、ある程度話すことはできる。
全失語はかなり重篤な状態です。
どのようにしてコミュニケーションをとっていくのでしょうか…
失語症は治る?
失語症は
発症初期にある程度の自然回復が見込めます。
そして、
回復の度合いは下記の要因に左右されます。
- 発症した年齢
- 出血や梗塞の大きさ
- 障害された部位
- 早期リハビリの有無
ただ、
「失語症は完治しない」とも言われています。
周囲から見て日常生活に問題ない程度まで回復したとしても、本人は言葉の浮かびにくさなど違和感を感じている場合も少なくありません。
また、
3ヶ月以上リハビリを継続しても、理解・表出ともに重篤な障害が残る場合もあります。言語機能は片麻痺に比べて回復に時間がかかります。
障害が残った場合は年単位で根気強くリハビリを継続することが必要です。
失語症のリハビリとは?
失語症のリハビリは、
言語聴覚士(ST)という専門の療法士が評価・リハビリを行います。
様々な机上課題(絵カードや物品、テキストなどを用いた課題)を行うことで、失語症患者の言語機能(聴く、話す、読む、書く)を向上させていきます。
また、言語聴覚士は
「どのように接すれば失語症患者とうまくコミュニケーションがとれるのか」
を検討して周囲の人々に指導する役割も担っています。
たとえ失語症が回復しなかったとしても、その人の言語障害の程度に見合ったコミュニケーション方法を言語聴覚士が提供してくれるはずです。
最後に
病院で言語聴覚士のリハビリを受けている場合、
必ず見学に行ってください。
言語聴覚士とコンタクトをとって、家族でもできる失語症のリハビリを教えてもらいましょう。
リハビリは質も重要ですが、量もかなり重要です。
家族が量を稼ぐことで失語症の回復が見込めるかもしれません。
以上、参考になれば幸いです。
でわ。
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