手の麻痺は治りにくいって本当?
手の麻痺の回復過程や
リハビリの効果について紹介します。
脳出血や脳梗塞を発症すると
片側の手足が麻痺することがあります。
これを片麻痺と言います。
片麻痺の回復過程についてはこちらの記事をご覧ください。
実は
片麻痺は手と足で回復する傾向が違うのです。
今回は手の麻痺の回復傾向やリハビリの効果についてご紹介します。
手の麻痺の回復傾向
一般的な傾向は以下のとおりです。
- 手の麻痺の回復は足の麻痺の回復より悪い
- 完全回復は全体の4〜9%、部分回復は23〜43%、回復が全くないものは16〜28%
- 発症後4週までに回復のピークを迎え、3ヶ月までが限度となる
- 実用レベルまで回復するかどうかは発症した時点での麻痺の重症度で決まる
発症時における麻痺の重症度に応じて、回復の予後予測ができます。
麻痺が軽度の場合
発症後1週間の時点で実用レベルまで回復するかどうかの予測が可能です。
麻痺が中等度の場合
早期の予測は困難であり、3〜4週間は経過を見た方が良いです。
麻痺が重度の場合
実用レベルまでの回復は極めて困難となりますが、6週程度は経過を見た方が良いです。
発症時から重度麻痺であっても年齢が若い場合(59歳以下)は3ヶ月以降でも長期の回復を認めた報告があります。
重度の麻痺でも諦めないことが重要です。
ちなみに、
脳梗塞よりも脳出血の方が麻痺の回復が良い傾向にあるとのこと。いわゆる「伸びしろ」は脳出血の方が大きいみたいです。
リハビリの効果は?
以下の目的に対して
作業療法が主体となって介入していきます。
- 麻痺した手の柔軟性を保つ
- 促通手技による麻痺手の随意性向上
- 麻痺手の日常生活動作への参加を促す
麻痺した手は動かさないとすぐに固くなっていきます。麻痺の回復を待ちつつリハビリでストレッチや麻痺手の運動を繰り返し行うことが重要となります。
「麻痺した手にリハビリの効果が絶大」とまでは断言できませんが、リハビリをしないと回復する機会すらも逃してしまいます。
また、
リハビリ以外の日常生活で麻痺した手を動かすように意識すると良いでしょう。
以上、参考になれば幸いです。
でわ。
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