被殻出血で意識不明に..
手術適応だと予後は悪いの?
手術で意識は回復する?
脳出血の中で最も多い被殻出血
症状の程度も様々です。
重篤な症状を呈するかどうかは主に血腫量で決まります。
手術適応は?
脳出血後の治療方針はCTによる出血部位の確認と意識レベルの評価によって決定されます。
被殻出血で手術(開頭血腫除去術)の適応となる目安は以下のとおり。
- 意識レベルがJCS2桁
(Ⅱ-30:痛み刺激や呼びかけを繰り返すことでかろうじて目を開ける状態) - 脳ヘルニアを示す所見の有無(意識障害、瞳孔散大、対光反射消失、血圧上昇と徐脈)
- 血腫量が31mL以上の場合
意識清明(自発的に目が開いている状態)であれば内科的治療や経過観察になることも。深昏睡の場合は逆に生命の危険を脅かすため、手術適応とならない場合も。
血腫が大きいとそれだけ周囲の組織を圧迫し、脳幹へのダメージは大きくなります。
脳幹には生命を維持するために重要な機能がいくつも備わっています。生命維持のためにも血腫を除去して脳幹への圧迫をいち早く軽減する必要があります。
意識が回復する見込みは?
意識が回復するか否かは、
患者の状態によって様々です。
ただ、
被殻出血は脳幹出血や視床出血と比べて、開頭血腫除去術が可能である分、ある程度の血腫除去により意識回復は見込めるのではないかと思います。
参考までに、
意識回復に影響を与える因子を以下に挙げました。
- 発症から手術までの時間
- 出血量
- 年齢
- 全身状態
手術適応だと予後不良なの?
手術適応の場合でも2通りあります。
- 意識障害はそこまで重くないが血腫がそれなりに大きく、開頭血腫除去術を行えば更なる症状改善が望めるケース
- 出血量が多く、意識障害が重篤で、内科的治療だと死亡してしまうケース
前者の術後は比較的予後良好です。片麻痺などの後遺症が残り、生活に介助を要する可能性はありますが…
後者における手術の目的はまず救命することです。術後に救命できたとしても植物状態(寝たきり)になる可能性も十分ありえます。
以上、参考になれば幸いです。
でわ。