くも膜下出血の後遺症で
視力低下?!
目に及ぼす影響とは?
くも膜下出血の後遺症には様々なものがあります。
- 頭蓋内圧亢進による意識障害
- 脳内出血、脳虚血(脳梗塞)による運動麻痺や高次脳機能障害
- 水頭症による認知症、歩行障害、尿失禁など
実はこれだけではないんです。
くも膜下出血の後遺症には
視力障害 もあります。
- 動眼神経麻痺による眼瞼下垂、瞳孔散大
- うっ血乳頭による視神経障害
- テルソン症候群
今回はテルソン症候群について詳しく説明していきます。
Terson(テルソン)症候群とは?
くも膜下出血の合併症のひとつに
テルソン症候群による視力障害
があります。
テルソン症候群はくも膜下出血による急激な頭蓋内圧亢進に伴って生じる硝子体出血のことを言います。(厳密には、頭蓋内圧の上昇により網膜の毛細血管が破綻し、硝子体腔に血腫が拡散した状態)
テルソン症候群はくも膜下出血患者の数%に認められ、合併する頻度は少ない傾向にあります。
ですが
テルソン症候群を合併したくも膜下出血患者の死亡率は合併していない患者の2.5倍と高く、予後判定の根拠となると報告されています。その他の後遺症(意識障害や運動麻痺)も重度となりやすいです。
テルソン症候群の症状と治療
人によって視力障害の訴えは様々ですが、主な症状は以下の3つです。
- 視力の著しい低下
- 視界がぼやける
- 明暗の区別がつきにくい
治療は早期の硝子体切除術が有効です。
(手術後8割以上が視力改善を認めている)
従来、硝子体出血は自然吸収されるため、発症から少なくとも6ヶ月は経過観察した方が良いとされてきました。
しかし、
硝子体腔に多量の血腫が長期に存在すると再出血を起こす可能性があること、それに比して早期に手術を行えば劇的な視力改善と社会復帰を早められることが強調されるようになってきました。
視力障害が著しいと今後のリハビリにも悪影響を及ぼします。五感の8割を占める視覚が機能しないとリハビリだけでなく日常生活にも多大な介助が必要になります。
早期の治療が予後を左右する
と言っても過言ではありません。
めまいについて
くも膜下出血発症の前兆としてよく認められる
「めまい」
脳出血や脳梗塞の後遺症としても浮動性のめまいは頻繁に認められます。
頭蓋内圧の変動、脳血流低下の影響により生じるとも言われていますが明確な原因ははっきりしていません。
くも膜下出血後に生じる視力障害の影響によってめまいのようなものを感じることが多々あります。
以上、参考になれば幸いです。
でわ。
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