小脳梗塞の症状・予後は?
水頭症を合併すると予後不良?
手術の適応は?
小脳梗塞の発症頻度は脳梗塞全体の4%とされています。
脳梗塞の中では頻度は少ないですが、小脳出血の発症頻度と比較すると4倍もあるんです。
今回は
小脳梗塞の原因、症状、予後や治療について解説していきます。
小脳梗塞の原因は?
小脳は
- 上小脳動脈
- 前下小脳動脈
- 後下小脳動脈
の3つの動脈から栄養を受けています。
小脳梗塞では後下小脳動脈の支配域である小脳後下面に好発します。
発症しやすい人の特徴は以下のとおり。
- 中高年
- 動脈硬化の危険因子(高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、大量飲酒)を有する人
- 心疾患(非弁膜症性心房細動)を有する人
スポーツなどで後頭部を強打するなど、外傷による血管へのダメージが閉塞の原因になることもあり、若年層にも見られる病気と言われています。
発症時の症状は?
小脳梗塞の初期症状としては以下のとおり
- 突然のめまい
- 眼振
- 悪心・嘔吐
- 頭痛
- 構音障害
- 運動失調
小脳梗塞後に脳浮腫が進行すると、小脳の前方に位置する脳幹が圧迫を受けることで意識障害の急激な悪化や呼吸停止を引き起こすことがあり注意が必要です。
小脳が障害されたときに生じる症状については以下の記事も参考に
治療と予後について
脳浮腫による脳幹部の圧迫や脳ヘルニア、第四脳室の閉塞などによる水頭症が見られる場合には外科的治療を検討します。
- CTで水頭症や脳幹の圧迫がなく、意識が清明:保存的治療
- CTで水頭症あり、中等度の意識障害あり:脳室ドレナージ
- CTで脳幹部圧迫あり、重度の意識障害あり:開頭外減圧術
意識障害がなければ手術はせずに済みます。
予後について
手術後の予後は良好です。
後遺症の程度は梗塞巣の大きさに依存しますが、小脳梗塞の場合は他の脳梗塞と比較すると社会復帰するケースが多いです。
ただ、
中には、めまいや失調症状などが残存し日常生活に支障をきたすケースもあります。
根強くリハビリを継続することが重要となります。
以上、参考になれば幸いです。
でわ。