脳卒中に関する悩みを解決するブログ

脳出血の麻痺があっても歩ける?装具の目的や種類について

脳出血になって片麻痺が出現したら歩けなくなる?

いやそんなことはありません。
脳梗塞や脳出血による麻痺が重度であっても諦めてはいけません。麻痺した足(以下:麻痺側下肢)に装着する「装具」があれば再び歩くことが可能になるかも?

装具の目的

装具の目的は簡単に言うと…

  1. 膝や足首の関節を固定して支えやすくする
  2. つま先を上向きに固定することで前に振り出しやすくする
  3. 足の変形予防や保護効果がある

こんな感じです。実に単純な理由なのです。

 

 

1.膝や足首の関節を固定して支えやすくする

麻痺側下肢は膝がガクッと折れやすく、支える力が弱いです。安定して体重を支え、良い方の足(以下:健側下肢)を前へ振り出して歩くためには装具を用いた固定が重要なのです。

 

2.つま先を上向きに固定することで前に振り出しやすくする

麻痺が重度の場合は、麻痺側下肢のつま先はダランと垂れ下がっています。(これを下垂足といいます)この状態で歩くとつま先が引っかかりやすく転倒の原因にもなります。装具を用いてつま先が上向きになるよう固定してあげれば、つまずくことなく足を振り出すことができます。

下垂しているつま先を足首から直角に固定することでつまずき防止

 

3.足の変形予防や保護効果がある

麻痺側下肢は筋緊張の異常を伴いやすく、足が変形してしまう恐れがあります。その変形は歩行を繰り返すことでさらに助長されていきます。装具を装着して歩くことで変形を予防でき、また足首の捻挫(内反捻挫)などを予防する保護効果も期待できます。

 

装具の種類

ではどのような装具があるのか。ここでは大まかに説明していきます。

 

長下肢装具

これは膝上まであるタイプの装具です。麻痺が重度の方に対し、早期に歩行訓練を行う場合によく用いられます。麻痺の回復を認めると膝上までのカフを取り外して短いタイプの装具(短下肢装具)にすることも可能です。

こちらの記事も参考に
 脳梗塞後遺症の歩行リハビリ|麻痺の重い患者は長下肢装具から

 

短下肢装具

これは金属の支柱が左右に1本ずつ付いているタイプの短下肢装具です。金属を使用しいるため固定性抜群。麻痺がより重度の方におすすめです。
【脳梗塞片麻痺の歩行リハビリ】短下肢装具の種類や値段は?

 

これはプラスチックで作られた短下肢装具です。金属のものよりも固定性は劣りますが軽くて見栄えが良く、靴も履けるのが魅力。中等度の麻痺の方ならこれでも十分に支えることができます。

 

まとめです。

足が麻痺したからといって歩くことを諦めてはいけません。

装具という補助具を使えば、再び歩くことが可能となるかもしれません。

今回紹介した装具はいわゆる大枠の説明となります。装具自体はもっとたくさんの種類があり、病院によって扱うメーカーも違います。

しかしご安心を。

あなたの歩行訓練を担当する理学療法士があなたに合った装具を吟味して選んでくれるはずです。一緒に相談してお互い納得する装具を選び作成していきましょう。

以上、参考になれば幸いです。

でわ。