脳卒中に関する悩みを解決するブログ

脳梗塞後遺症の再生医療を受けるには?自費診療の費用や効果は?

治験は急性期の脳梗塞患者しか対象にしていないって本当?

慢性期の脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)患者が再生医療を受けるには自費診療しかない?

「国内の治験の詳細」や「全国で自費診療の再生医療をしているクリニックや病院」についてまとめてみました。

脳梗塞の再生医療の現状

国内の脳梗塞等の再生医療は現在も治験中か治験の前段階にあります。中でも先進しているのは、骨髄間葉系幹細胞を用いて治験を行なっている「札幌医科大学」と「北海道大学」です(下表)

大学 細胞 疾患 段階
札幌医科大学 自家骨髄間葉系幹細胞
急性期脳梗塞
Phase3
北海道大学 自家骨髄間葉系幹細胞 急性期脳梗塞 Phase1開始
東北大学 Muse細胞(新規多能性幹細胞) 心筋梗塞 Phase1準備中..
東海大学 再生アソシエイト細胞 亜急性期脳梗塞 Phase1準備中..
慶應義塾大学 HGF(肝細胞増殖因子)

iPS細胞

急性期脊髄損傷 Phase1・2開始

北海道大学はまだまだ時間がかかりそうですが、札幌医科大学は3〜5年後の実用化を目指して治験のPhase3真っ只中です。

【最新情報】脳梗塞後遺症の再生医療|実用化はいつ?

脳梗塞再生医療の治験を受けるには

治験で再生医療を受けるメリット

治験で再生医療を受けるデメリット

やはり費用面で患者の負担は少なくなります。ですが治験には厳格な参加条件が定められているので適応外だと治験を受けることすらできません。

 

札幌医科大学の治験の参加条件

【参加条件】

  1.  年齢が20~79歳の方
  2.  脳梗塞(ラクナ梗塞を除く)と診断され、現在入院中で治療を受けている方
  3.  発症後20日をめどに転院できる方
  4.  歩行や体を動かす動作には介助が必要、または常に介護と見守りを必要とする方

【除外基準】

  1. 意識状態の悪い方
  2. B型肝炎や梅毒などの感染症を持っている方
  3. 貧血の強い方
  4. 脳卒中などの再発の可能性が高い方
  5. 脳梗塞以外の脳の疾患のある方、または既往のある方
  6. 悪性腫瘍や重度の疾患の既往がある方
  7. ペニシリンアレルギーおよびショック、アナフィラキシー様症状などの既往がある方
  8. 全身状態が不良な疾患(腎疾患、心疾患、肝障害)などのある方

ある程度重症例(歩行や身の回りのことに介助が必要)であること、発症後20日以内で転院できることが鍵となります。重症例すぎて意識障害が強いと対象にならないので注意が必要です。

Phase3の段階なのでとにかく目標症例数は多く設定してあると思われます。具体的な症例数は明記してありませんでした。

治験詳細はコチラ

 

北海道大学の治験の参加条件

【参加条件】

  1. 同意取得時において年齢が20歳以上、80歳未満の患者
  2. 同意取得時において脳梗塞発症後14日以内の患者
  3. 内頚動脈灌流域に生じた脳梗塞の患者
  4. 自己報告又は家族の報告による脳梗塞発症前のmRSが0又は1である患者
  5. 本治験への参加にあたり十分な説明を受けた後、十分な理解の上、患者本人の自由意思による文書同意が得られた患者。本人が自署できない場合は、立会人による対応も可とする。また、患者本人の理解力や意思表示力が十全でない可能性がある場合は、代諾者の文書同意が得られた患者。
  6. 脳梗塞による中等〜重度の神経症状(NIHSS:≧6)を有する患者(ただしNIHSSの「5.上肢の運動」と「6.下肢の運動」項目において総計6点以上であること)

※除外基準については要確認。

北海道大学の参加条件のほうが細かいですね。Phase1の段階なので条件は細かく設定してあるのでしょう。

6.の「NIHSSにおける上肢の運動と下肢の運動項目において総計6点以上であること」については「麻痺した腕と足が重力に抗して動かせないこと、ダランと下がってしまうこと」を意味します。

北大の治験の目標症例数は6例なので定員になればPhase1の募集は終了となります。

治験詳細はコチラ

 

両治験の違い

腸骨から局所麻酔下で骨髄液を採取し培養するまでは一緒ですが投与の仕方に違いがあります。

札幌医科大学では「点滴による静脈投与」

北海道大学では「定位脳手術による直接投与」になります。
(効果の違いについては治験段階なので現時点では不明)

保険外の自費診療で再生医療を受けるには?

全国で脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)の再生医療を行なっているクリニックおよび病院は以下の通りです。(治療薬や投与方法、費用など紹介していきます)

 

ふくとみクリニック(大阪府大阪市)

骨髄由来の幹細胞を点滴投与

1クール3回投与4000,000円(骨髄採取、血清用採血2回、骨髄幹細胞培養及び安全性検査、骨髄幹細胞注入3回、検診3回、処方薬)

初回カウンセリング10,000円、血液検査10,000円

2012年から本格的に再生治療を開始しており、自費診療での実績はこのクリニックが飛び抜けている。10代〜80歳以上を含む75例の実績があり、90%以上が改善効果を実感している。

公式ホームページ

 

釧路孝仁会記念病院(北海道釧路市)

脂肪由来の幹細胞を点滴投与

初診料5000円、適格性検査費用200,000円

初回投与2295,000円、2回目以降1250,000円

投与後は病院にて集中的なリハビリテーションを受けることができる。再生医療患者に特化したチームが結成されており、治療薬とリハビリの相乗効果が期待できるのは魅力だ(※入院リハビリの費用が上記価格に含まれるかは不明)

公式ホームページ

 

アヴェニューセルクリニック(東京都港区)

脂肪由来と骨髄由来の幹細胞どちらかを点滴投与(2つの幹細胞で治療効果に差はないが、培養する組織を採取する際に痛みが少ないのは脂肪由来。採取方法の好みで選ぶかたちとなる)

初回投与1500,000円、2回目以降900,000円

公式ホームページ

 

BTR アーツ銀座クリニック(東京都港区)

脂肪由来の幹細胞を点滴投与(脊髄損傷にも治療を展開している)

カウンセリング初回3000円、2回目以降1500円、血液尿検査に9600円

初回投与1500,000万円、2回目以降1000,000万円

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クリニックチクサヒルズ(愛知県名古屋市)

脂肪由来の幹細胞を点滴投与

1クール3回投与2000,000円

公式ホームページ

 

デイクリニック天神(福岡県福岡市)

乳歯歯髄由来のサイトカインカクテル(幹細胞培養上清液)療法

投与方法は点鼻で行う。

初診料2820円

1回投与98000円(5回コース450,000円、10回コース800,000円)

複数回投与の場合は定期検査代40,000円

唯一、幹細胞ではなく幹細胞から放出されるサイトカイン(タンパク質)を使用した再生医療を行なっている。幹細胞治療と同等の治療効果が期待できるとのこと。幹細胞を培養する際に使用した培養液には、通常、成人の数十倍から数百倍にのぼるサイトカインが含まれていることが分かっており、このサイトカインを多く含む培養液をサイトカインカクテル(幹細胞培養上清液)と呼ぶ。

実績は多くないが、手の届きやすい価格で再生医療を受けれるのは魅力的だ。自己の幹細胞を採取・培養しない、他家で培養されたものを量産しているのでコストを下げれている。当日治療も可能なのはありがたい。

公式ホームページ

 

費用の比較

1回の投与より複数投与の方が細胞の生着効果は高いと報告されています。下表には3回投与にかかる費用を算出しました。

3回投与の場合
ふくとみクリニック 4,020,000円
釧路孝仁会記念病院 5,000,000円
アヴェニューセルクリニック 3,300,000円
BTR アーツ銀座クリニック 3,515,600円
クリニックチクサヒルズ 2,000,000円
デイクリニック天神 336,820円

※全て税抜き価格です。
※細かな診察代や検査代が加味されてないところもあるので大まかな金額となります。
※すべて自費診療であり、医療保険や高度先進医療保険の適応はありません。
※医療費控除の対象にはなります。

 

自費診療による再生医療の効果は?

現在行われている治験と同等の治療法ばかりなので治療の質自体は問題ありません(患者の年齢や発症後の期間などにより効果には個人差があります)

治験と違って実績の報告がほとんどなく、費用が高額なのでなかなか踏み切れない人も多いはず。

その点、「ふくとみクリニック」は費用は高いですが実績報告が多いのでおすすめです。「釧路孝仁会記念病院」も費用は高いですが恐らくその費用内で入院リハビリも受けられるのでリハビリによる相乗効果はかなり期待できます。「デイクリニック天神」の点鼻によるサイトカインカクテル療法は費用も安く、当日治療が可能なので遠方からでも治療を受けやすいです。治験とは異なる治療なので効果には不安がありますが、その他の自費診療が高額なので手の出しにくい人は「デイクリニック天神」で試してみるのも良いかもしれません。

 

まとめ

治験対象は急性期脳梗塞患者のみで、発症後一定期間内に北海道の附属病院へ転院できる患者となるとかなり限定されます。もしこのサイトを見ていて、あなたの身内や知り合いの方が条件に合致するならば治験に参加するべきです。

そして、慢性期の後遺症に悩む脳卒中患者は治験薬の実用化を待つのは得策ではないかもしれません。

なぜなら、治験薬が実用化したとしても慢性期患者が対象になるという保証がないからです。後遺症を改善して、少しでも長く快適な生活を送りたいと思うなら自費診療に挑戦すべきです。

自費診療で再生医療を行うクリニックや病院がもっともっと増えて価格競争が起きれば良いんですけどね…

今後の展開に期待です。また有益な情報がありましたら更新していきます。