脳卒中に関する悩みを解決するブログ

 脳梗塞の装具作成と修理|保険と身障手帳ではどちらがお得?

病院で作った装具が壊れちゃったから新しいのを作りたい。修理してほしい。その場合は保険適用?身体障害者手帳(以下:身障手帳)で作る場合と比べてどう違うの?耐用年数って何?損をしないために知っておくべき装具の話をご紹介します。

脳梗塞や脳出血の後遺症で麻痺が残り、装具を作成。

その装具が壊れたり、自分の足に合わなくなったらどうすればいい?

新しく装具を作りたいなら、まず今使っている装具の耐用年数を確認する必要があります。

装具の耐用年数とは?

「耐用年数」とは、
同じ種類の装具へ新たに作り変える際に、補助が受けられるようになるまでの期間です。(各種耐用年数はこちらのサイトを参考に ︎ 義肢・装具の耐用年数:佐々木義肢製作所サイトへ

耐用年数内に装具が破損した場合

原則として修理対応となります。
この場合、医療保険と身障手帳では大きな違いがあります。

医療保険で作った装具は自費で修理しなければならないのに対し、身障手帳で作った装具は市町村役場へ申請すれば補助を受けることができるのです。

ただし、

あまりにも破損がひどくて使えなくなった場合障害の変化によって装具が足に合わなくなった場合は、医師の意見書によっては耐用年数に関わらず補助を受けて新たに装具を作成できる可能性があります。(これは保険と身障手帳の両方に当てはまる話です)
破損の場合は同じ種類の装具を、障害の変化の場合は別の種類の装具へ作り変えることになります。

以下にプラスチック短下肢装具両側金属支柱付き短下肢装具を例に挙げてみました。

プラスチック短下肢装具の事例
入院中に治療用装具として医療保険で作成したプラスチック短下肢装具。耐用年数は1年半だが、装着してから半年で破損してしまった。医療保険で作成した装具であるため本来なら自費での修理となるが、あまりにも破損がひどく使い物にならない。医師へ相談して意見書(及び装具装着証明書)を書いてもらい、申請したところ保険適用で同じ装具を作成することができた。

両側金属支柱付き短下肢装具の事例
入院中に治療用装具として医療保険で作成した両側金属支柱付き短下肢装具。耐用年数は3年だが、入院して2ヶ月経過した頃には、ある程度の麻痺の改善を認め、患者自身の能力に見合わなくなった装具となってしまった。医師へ相談した結果、意見書(及び装具装着証明書)を書いてもらい、申請したところ保険適用でより麻痺の軽い患者が適応となるプラスチック短下肢装具へ作り変えることができた。
プラスチック短下肢装具の事例2
入院中に治療用装具として医療保険で作成したプラスチック短下肢装具。退院後も使用していたが、機能的に優れている他の装具がどうしても気になり、耐用年数に満たないが、その装具に作り変えたいと医師に相談した。症状固定していると判断されたため身障手帳を作成し、申請したところ更生用装具として補助をうけて新たに他の装具を作成することができた。

治療用装具と更生用装具についてはこちらの記事を参考に。
︎ 脳梗塞後遺症の歩行リハビリ|治療用装具と更生用装具の違いは?

入院中に手帳で装具を作れる?

入院中に医師が症状固定と判断し、身障手帳を取得することができれば可能です。
退院後も引き続き使用することが予測され、かつ入院中に給付することで有効な訓練が行える場合は身障手帳で装具を作成できます。

しかし、
身障手帳が完成するにはだいたい1ヶ月半〜2ヶ月くらいかかります。
回復期病院でリハビリをされている場合は恐らく退院前後で身障手帳が完成し、更生用装具が支給されるのは退院後になる可能性が高いです。
入院中に更生用装具を作るには如何に医師が早く症状固定してくれるかどうかにかかっています。

とにかく、
まずは治療用装具を使用して様子を見ること。すぐに更生用装具を作らなくても麻痺の回復を見て、退院後の自分に合った装具を選んでいきましょう。

(おまけ)予備用でもう1個装具を作りたい!

装具の個数は原則1個までです。

しかし、
職業または教育上において、日常用とは異なった用途で装具が必要な場合、2個作成も可能とのこと。(職場や学校の都合上、屋内と屋外で使い分ける必要がある場合など)

まとめです。

入院中に作った治療用装具が自分にとって最適であったとしても、退院後に修理したいと思っても耐用年数内であれば自費になります。なるべく早く更生用装具に切り替えることをオススメします。

結論は、
退院後は身障手帳で作った装具を使用したほうがお得ってことになりますかね。

以上、参考になれば幸いです。

でわ。