脳梗塞や脳出血の後遺症である片麻痺が効率的に回復しやすい期間とその期間に行うべきリハビリの内容について説明します。
前回の記事で運動麻痺の回復過程における3つのステージについて紹介しました。
回復過程における3つのステージ
- 神経の再組織化
- 皮質間の新しいネットワークの構築
- 神経細胞同士の伝達の効率化
1と2が麻痺の回復の主なステージになり、発症後6ヶ月以降の回復は緩やかになります。
この中でも注目したいのが1の「神経の再組織化」です。これは残存する運動神経の興奮性を高めることで障害された神経の代わりを担い、失われた運動機能を回復させるというものです。
そしてそのメカニズムの期間は発症直後〜3ヶ月頃がメインと前回の記事では書きました。
が、しかし
もっと厳密に言うと2〜4週頃がより効率的に回復を認めるという報告があるのです。この間に神経側芽と呼ばれる神経の修復が生じ、4週以降でその神経側芽の作用は消失すると言われています。
それを理由に発症後はなるべく早くリハビリを開始することが望ましいとされます。
発症直後のリハビリは何をすればいい?
神経側芽の回復メカニズムが作用している期間にどんなリハビリをすると効果的なのか?
それは全身状態にもよりますが、積極的な運動が許可される場合はベット上にて麻痺した手足の運動を行うべきです。
じゃあどのような運動がいいのか?
それは今話題の川平法が最適だと私は思います。
川平法は麻痺して脱力した手足に対し、様々な反射を利用して随意的な運動を引き起こす治療法です。随意的な運動とは本人の意図した運動のことを言います。
意図する運動を繰り返し行うことで脳内の新たな神経回路の再生を促すのです。
川平法をリハビリの訓練で導入している病院はまだまだ少ないのが現状です。ただ最近では認知度は上がり、川平法発祥の地である霧島リハビリテーションセンターでは連日お問い合わせが殺到しているのだとか。
参考までにこちらの番組をご覧ください。この放送の後には川平法を導入している関連病院にもお問い合わせがあったそうです。
まとめです。
麻痺を効率的に回復させたいのなら発症後2〜4週の間に川平法を実践すべき。
そのためには急性期病院を経由してすぐに川平法を導入している病院へ転院して治療を受ける必要があります。
以上、参考になれば幸いです。
でわ。